眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

狼の太陽/アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ 生田耕作訳

フランスの幻想文学マンディアルグの短編集。

翻訳は、マンディアルグに心酔する名翻訳家・生田耕作先生という豪華仕様。

澁澤龍彦も 絶賛のマンディアルグだったわけですが、正直、眼鏡堂にはピンとこず。

というか、幻想的に幻想的に、と修辞や語句や文章表現をいじくり倒した結果、本来描かれるべき物語の情景との間に大きな乖離が生まれているようで、確かに文章は耽美壮麗で素晴らしいのだけれど、物語そのもののアウトラインが全く見えてこず、単純に物語の内部で何が起きているのかはおろか、話が進んでいるのか進んでいないのかさえも分からない始末。

 

眼鏡堂は幻想文学の人だとばかり思っていたけれど、物語の輪郭(アウトライン)がしっかりしていないとダメなんだな、と再認識。

もやもやと物語の輪郭をボヤかして、「幻想文学でござい!」というのは、澁澤さんも生田先生も自己の諸表の中で口を酸っぱくして言っていたのになあ。

 

もしかしたら、眼鏡堂の読解力が足りないだけで、あるいは、マンディアルグの作品の中では本作が一番大したことのない作品であるかもしれず、ともかく、もう少し読み巧者になってから再挑戦してみようと思いました。久しぶりに気合を入れて読んだ作品がこのありさまでは、ちょっと、ねえ……。以上、おわり。