眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ら抜きの殺意/永井愛

 

ら抜きの殺意

ら抜きの殺意

 

 第1回鶴屋南北賞を受賞した、著者の戯曲。

あらすじは……

”通販会社"ウェルネス堀田"にバイトで入った「ら抜き言葉」を嫌う男・海老名とそこの社員で「ら抜き言葉」を使う男・伴。二人の間には次第に殺意に似たものが漂い始める。”

 

今、戯曲という形態がどのくらい読まれているかわからないけど、少なくとも小説や漫画よりは読まれていないというのは間違いない。

でも、それはもったいない!

実際の舞台を見るのも面白いけど、こうして戯曲(台本)をじっくり読んでみるのもすごく面白いし楽しい!というのを眼鏡堂は声を大にして言いたいのです。

 

というわけで、『ら抜きの殺意』デス。

 

ら抜き言葉が問題になっていたのも今や昔。

言葉は世につれ、世は言葉につれ、というのが久々に読んだ感想。

日本語の表現の奥深さとともに、日本語という言語が本質的に持つ問題点・欠陥も作中に登場します。

言葉についての悲喜こもごもを絡めながらの物語は面白いうえに、いろいろ考えさせられ、最後にはほろっとくる。

 

特に、

海老名 しかし、いいですね、言葉で思い出してもらえるってのは。

伴 え?

海老名 あなたのバッちゃん。……私もそんなふうに思い出してもらえる、そんな言葉が言ってみたいですよ。

 

からのラストまでのくだりが改めてグッときました。

 

戯曲、というので敬遠されがちかと思いますが、ぜひ読んでもらいたいと思います。

以上、おわり。

 

【追記】

 なんとDVDが発売されている模様。

ら抜きの殺意 [DVD]

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