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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

田宮模型の仕事/田宮俊作

読書【評論】

田宮模型の仕事 (文春文庫)

 

”静岡に過ぎたるものが三つあり。タミヤバンダイ、ローランド”

などという戯れ歌でお馴染み、田宮模型の奮闘記をまとめた一冊。

 

春日太一さんの『あかんやつら』にグッと来た人は、絶対に読んだ方がいい。

なぜなら、この本はまさに模型会社版『あかんやつら』。

田宮模型と言っても、最近の若いねーちゃんたちは「ゴールデンボンバーのTシャツでしょ」なんだろうが、眼鏡堂の世代で田宮模型っつたらもう大変だ。

見てたよ、タミヤRCカーグランプリ。

あの頃のダンスィは皆、タミヤの前ちゃんか高橋名人に憧れたもんじゃった……(遠い目)。

懐かしいなあ、『ダッシュ!四駆郎』(※眼鏡堂はコロコロよりボンボン派でした)

ダッシュ!四駆郎 第1巻 (てんとう虫コミックス)

 

現・田宮模型の社長である田宮俊作氏の模型との出会い。木製模型から始まって第2次ミニ四駆ブームに至るまでのドタバタや山あり谷ありの舞台裏が描かれた本。

とにかく、プラモデルやミニ四駆など対するタミヤの驚異的な本気度が素晴らしい。

 

”チマチマ組み立てて何が楽しいの?きちんと完成したヤツを買えばいいじゃない”

という(主に女子からの)素朴な疑問に対する回答が、この本のハイライト。

 作る喜びのない完成品なんて、味噌抜きの味噌ラーメンみたいなもんだ!!

 

ミリタリーキット、ウォーターライン、ラジコンにミニ四駆

ジオラマや模型製作に必要な器具や材料。

田宮模型が男の子の世界にもたらしたものは、たぶん任天堂よりも多い。

もし家庭用のゲーム機がスマホとかに駆逐されたとしても、タミヤの製品は絶対に生き残るに違いない。

作る、という行為そのものへの賛歌。

自分の手で自分だけの何かを作り上げる喜び。

タミヤの製品、というかプラモデルという未完成品にはそれが詰まっている。

 

危ないから、ケガするから、ジャマになるし、などなど。

オトナからすればそういう風に言いたくなるのも分かるけど、だからといって”ものを作る喜び”を子供たちから取り上げるのはいかがなものか?

誰かによって作られたテレビゲームに夢中になるくらいなら、自分の手で何かを生み出す行為に熱中した方が得るものが大きい気がする。

 

だが、最大の課題は”いかにして自分で後片付けをさせるか?”

今も昔も最大の課題だ。

 

このブログをご覧になっているタミヤの社員の方。

狙い目は、タミヤ印のお片づけキットです。是非ご検討いただきたい。

 

何はともあれ、タミヤのプラモには夢が詰まっているのだ。

 

【追記】

東の横綱田宮模型なら、西の横綱海洋堂

海洋堂創世記

 

驚天動地で破天荒な一代記『海洋堂創世記』もオススメです。