眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ホットファズ ―俺たちスーパーポリスメン―

ホットファズ -俺たちスーパーポリスメン!- [DVD]

 

『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』が大ヒット中ということで、世間的には”前作”ということになっている『ホットファズ』を見る。

エドガー・ライト作品のファンの方々、……ホントの意味で前作である『スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団』のこともたまには思い出して下さい。

 

それはともあれ、エドガー・ライトサイモン・ペッグニック・フロストの黄金トリオによる笑撃のポリスアクション・コメディ。

 

あまりにも優秀すぎる仕事一筋の警察官ニコラスは、上司や同僚の妬みを買ってしまい警部補への出世と同時に地方へ出向。

出向先のサンドフォードはおっそろしく平和なド田舎。犯罪どころかトラブルらしいトラブルもなく、ただひたすらに退屈。

しかし、この場所は見た目通りののどかな場所ではなかった。

サンドフォードに隠された秘密を知ったとき、壮絶な戦いの幕が切って落とされた!!

 

こう書いてしまうと、よくあるB級ポリスアクションのようだが、ここに確信犯的なコメディー要素といろんな映画のオマージュをみっちり詰め込んだ結果、ぐっと高まるボンクラ度。

ニコラスの相棒となるダニーのボンクラっぷりはいっそ清々しい。

彼が「どっちを見る?」と繰り出してくるDVD。

そのチョイスが『バッドボーイズ2』と『ハートブルー』(笑)。

加えて、彼がスーパーで手に取るDVDはチャック・ノリスの『バイオニック・マーダラー』やジャッキー・チェンの『ポリスストーリー3』(笑)。

監督のチョイスとはいえ、かなりキてるぞ。これは。

 

エドガー・ライト作品全般に言えることだが、非常にテンポがいい。

テンポのいい進み具合に、監督自身のオタクっぷりを感じさせるオマージュの数々。

突如流れるハートブルーのBGM、「グレイスカルパワーもびっくりだ」は『マスターズ/超空の覇者』から。ドルフ・ラングレンの初主演作なんか誰も知らないよ!!

オーメン』に『ラストサマー』、『バーニング』や『男たちの挽歌』、果ては東宝の怪獣映画と一体どういう基準でチョイスしてんのかさっぱりわからないけど、とっても楽しいぞ。

散々張り巡らせた伏線を力技で回収してくる強引さも面白い。

 

 ボンクラでもいいじゃない、というエドガー・ライト作品全般に通ずるテーマには正直同意しかねるし、ボンクラ&ボンクラの男同士の友情は美しいというのもどうかと思う。コメディ映画だしねえ、と割り切ってもよいものかどうか。

まあ、彼の作品は全部そうだというのを考えると、これがきっと作家性なんだろう。

 

他の作品もそうだが、エドガー・ライトの映画は何度も見返すたびに発見がある。

オタク監督の面目躍如というか、オマージュの元ネタ探しという楽しいおまけつき。

 

ただ、公共の利益の美名のもとに重ねられる殺人は、なんとなく 今の日本の雰囲気に近いものを感じるのですっきりしない。

前見たときは、面白かったのになあ……。

 

【追記】

スーパーの社長、サイモン・スキナーが誰よりも早く情報を手に入れている件。

これは演じているティモシー・ダルトンが007俳優だから、っていうことへの多分オマージュ。

ジェームズ・ボンドなら情報収集はお手の物だし。