眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

着信アリ

着信アリ(通常版・2枚組) [DVD]

原作・秋元康、主演・柴崎コウによるホラー映画。

死の予告電話がかかってきた人物がその予告通りに死を遂げるという、携帯電話が現代の必需品であることを利用した現代ホラー。

 

『リング』や『呪怨』以降、身近にある電化製品を媒介にしたホラーや、”なにかイヤな予感がする→その方向を見てみる→不気味な白い子供が!!”のループなど、それらの傑作の構造だけを安易に模倣したホラーが量産されてしまい、ジャンル自体が一気に凋落していったのは記憶に新しい。

 それはこの『着信アリ』も例外ではない。 

 

この物語におけるキーワード、”携帯にかかってくる死の予告”が、昔流行った”不幸の手紙”のようなもので、この幼稚っぷりに一気にガッカリ。

加えて”暗くしておけばホラーっぽいっしょ”、”重苦しい音楽だと怖いよね”とかいう安直さもそのガッカリっぷりに拍車をかける。第一さ、薄暗いっていうか単純に”暗い”んでよく見えないんだけど……。

個人的に一番がっかりしたのが悲鳴を上げる女優が全然魅力的ではないところ。

別に洋画を賛美するつもりはないが、向こうのホラー映画の女優たちはとにかく魅力的に悲鳴を上げ、顔を引きつらせる。

俗に”スクリーミング・クイーン(絶叫女王)”というジャンルがあって、それをウリにしている女優もいるくらいなのだ。子どもの頃のドリュー・バリモアとか、ジェニファー・ラブ・ヒューイットとかね。それに比べると、ここに出てる女優は総じて魅力に乏しい。そんななかでも、吹石一恵は頑張ってると思う。

柴崎コウは美人だけど表情に乏しい分、吹石一恵のくるくる変わる表情はとても魅力的だ。ただ、それが生かされているかというとまた別の問題なのだけど。

 

加えて、随分早い段階で種明かし的に真相が明かされるという、悪い意味でのスピード展開。”なんだかわからないが、自分は何かに狙われているらしい”というのがオカルトもののキモなのに。

虐待によって死んだ女児の恨みが殺人を引き起こしている、という説明もなんだか取って付けたような印象。一生懸命設定を積み重ねているのは判るが、それがプロットの域まで達していない。そのうえ、なんでもかんでも設定上の伏線を回収して、腑に落ちるような結末に着地させようとすればするほど、逆にスケール感がどんどんダウン。

心霊オカルト映画だと思ったら、そこにゾンビ的なものが加わることは構わないのだが、どれもこれも中途半端。

ただ、登場するゾンビ的なものが非常に薄汚い腐りかけという、ルシオ・フルチのゾンビ映画を彷彿とさせるところは、ちょっとツボ。ただ、これも腐り方がだいぶ足りない気がするけれど。

 

いずれにせよ、とってつけたようなラストシーンといい、なんか非常に散漫な印象。

怖いシーンはたくさんあるのだが、それ以外の部分がとてもよろしくないので、ついつい「あれは何だったんだろう?」と考え込んでしまい、どんどん恐怖が薄れる悪循環。

 

誰だよ、こんなどうしようもない映画を監督したヤツは、と思ってたらなんと三池崇史。まあ、三池監督は04年は4本も撮ってるし、きっと疲れてたんだろう。

正直、脚本も雑だし、一生懸命説明しようとするたびに、本来目指していた作品の魅力からどんどん遠ざかっていく。

 

思ったのだが、この映画って本来はもっとアイドル映画っぽかったのかもしれない。

『本当にあった怖い話』シリーズのように、ティーンのアイドルをバンバンつかって、彼女たちを徹底的に怖がらせるような話の方が合っているような気もする。

だって、柴崎コウを始めとした大学生たちの行動が余りにも幼すぎるしね。

女子高生なら納得がいくが、女子大生がとる行動としてはいくらなんでも、ねえ……。

 

散々文句を並び立てたけど、悪いところばかりではない。

このあざといほど不気味な着メロはイイと思った。

ゴブリンのパチモンというか、『エクソシスト』の劣化コピーというか、オイラはこの着メロに大賛成だ!!

それになんといっても最大のクライマックスは、観賞中、自分の携帯に着信があった時の”ドキドキ感”。

「ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!」とテンションが上がります。


ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ - YouTube

 

動画がこれしかなかっとはいえ、秋山うるせえ。

その瞬間のために、112分も我慢するのか?という根本的な問題はあるけれど、まあ、これがメディアミックスというものですよ(適当)。

ちなみに、わりと素でびっくりしました。

 

全体的に、非常にゆるーいホラー映画。

肝心の残虐描写も画面が薄暗くてよく見えない。

手足がちぎれたとか、内臓をぶちまけたとか、包丁でぶっ刺されたとか、そういうのが楽しみでみんな見てるので、そこはちゃんと見せてくれないと不親切だな、と思いました。三池監督だからきっとエグいやつをやってくれるんだろうと期待すると、がっかりするので要注意。

 

それにしても、吹石一恵はかわいいなあ。(●´ω`●)