眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ラブ・イズ・マネー

ラブ・イズ・マネー [DVD]

ラブ・イズ・マネー [DVD]

 

国際的ファンド会社の社長で大金持ちなのにドケチな主人公が、捨てたガールフレンドの復讐で無一文になってしまう。彼の正体を知らないヒロインは、彼に同情して「3000ドルで恋人のフリしてくれない?」と持ちかけてきて……というラブコメ映画。

 

監督は節操なくあらゆる映画を多作することで知られるバリー・ウォン

正直、この人の映画は何本も見てるけど面白いと思ったことは一度もない。*1でも、今回は本当に面白かった!!

何より、主演の二人がとてもよい。

トニー・レオンスー・チーが非常に画面映えする。

トニー・レオンというとどうしても文芸映画的なしっとりした作品というイメージだけど、当人は「お堅い文芸映画より、コメディをやりたいんだよね」と何かの本で答えていたが、そんなトニーの魅力が大爆発。彼の子犬っぽい愛くるしさが画面いっぱいに溢れているし、何より若干バカっぽいところも好印象。

そんな彼とともに映画を支えるのが、ヒロインのスー・チー

とにかく彼女がキュートなことキュートなこと。

クルクル変わる表情といい、ちょっとしたしぐさといい、あのニパッと笑う大きな口といい、本当に超カワイイ。*2

 

作品的に最も近いのは『ステイ・フレンズ』。

小気味よいテンポや役者のキュートさはまさにこの路線。切れ味鋭い下ネタの応酬もそっくりだ。

ステイ・フレンズ [DVD]

ステイ・フレンズ [DVD]

 

この映画の核が”男女の間に友情は成立するのか?”だとしたら、本作の核となるのは”男のウソを許せるか?”であり”誠意って何?”だと思う。

いずれにせよ、あの俗っぽいバリー・ウォンとは思えないくらいにスペシャルキュートな映画になっていて、見ている間中ニヤニヤしっぱなし。

個人的にスー・チーが大好きで(あのクルクル変わる表情やニパッと開く口がドストライク。その上喋り方が舌っ足らずでもにゃもにゃしてるところもたまらない)、彼女を見ているだけでスゲエ満足。そのうえ相手役がトニー・レオンとくればもう安心だ。

どっちかっていうと重厚な映画が主戦場な彼だけど、こういうコメディタッチの軽い作品もすごくあっている。男として彼の愛くるしさは羨ましい。そりゃ、天下のトニー・レオンだけどさあ!!

 

ホントに最初から最後まで楽しくて、ずっと目が離せなかった。

トニー&スー・チーの主人公コンビも最高だけど、脇を固めるラム・カートンをはじめとした助演陣のアシストも素晴らしい。

まあ、正直冷静に考えてみると内容のあるストーリーではないんだけど、それでもずっとひきつけられる。

映画の魅力もそうだし、役者の魅力もそう。

とにかく楽しいのだ。

 

個人的には内輪ネタの応酬が楽しい。

例えば、スー・チーに対して「お前は広東語が不自由だな」という台詞は、彼女が台湾出身でデビュー当時言葉が不自由だったということへのネタ。

他にも スー・チーのお父さん役が「ワシは村のチョウ・ユンファだ」だの、トニーが「ボクは賭神だ」と言ってみたりするのが、バリー・ウォンの『ゴッド・ギャンブラー』シリーズへのオマージュなのがバカみたいで面白い。

ゴッド・ギャンブラー 完全版 [DVD]

ゴッド・ギャンブラー 完全版 [DVD]

 

加えて、トニーがカウンセリングを受けるシーンが個人的にツボ。手持ちの資産額を口にした途端、カウンセラーの女医さんが豹変してトニーに迫ってくる、というのも面白いが、なんといっても本作の次にトニーが出演した映画が『インファナル・アフェア』だというのを考えると、めっちゃ面白い(笑)

インファナル・アフェア [DVD]

インファナル・アフェア [DVD]

 

 「あったあった、このシーン」(※別にそこまでそっくりではない)とひとりエキサイトしてしまいました。すみません。

 

まあ、そういうものを差し置くにしても、この二人の男女の感情の機微がいじらしくて愛おしくて、すごくグッとくる。

愛か金か?というテーマは『ブルーバレンタイン』はじめ、数多の映画で描かれてきたテーマ。正直、それを真正面から描こうとするとどうしても重たくならざるをえない。

それを本作のように軽妙なタッチで(軽薄ともいう)ちゃかして作品にしてしまうのが、バリー・ウォンのいいところかダメなところかは各自で判断してもらいたいところ。

ラストは「オイオイ、それでいいのかよ」と思わないではなかったが、このくらいぶっ飛んでる方がバリー・ウォン作品らしくていいような気がする。

これまでオイラが見てきたバリー・ウォン作品とは毛色が違うというか、全体のバランスが全く破綻しておらず、伏線はすべて回収され、展開は適度にひねりが効いていて……という手堅い作品になっており、適当に作品を作るというバリー・ウォンのイメージがだいぶ修正された気がする。

 

これといった期待も無しにみた作品だったけど、思わぬ大当たり。

とってもキュートで面白い映画なので、オススメです。

*1:映画全体の構成というかギャグとシリアスのバランスがガタガタなのだ。特に『ゴッド・ギャンブラー 完結編』はヒドかった。まあ、そこが面白かったんだけど。

*2:前々から彼女の顔をどっかで見たな、と思っていたが本作でやっとわかった。綾瀬はるかだよ!!