眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ワカコ酒4/新久千映

ワカコ酒 4 (ゼノンコミックス)

ワカコ酒 4 (ゼノンコミックス)

 

ほんわかほろよいひとり酒マンガの4巻目。

2015年からはTVドラマ化されるなど、なにかと話題の作品です。

 

1話完結で内向きのストーリー展開は、久住昌之谷口ジローによる『孤独のグルメ』をどうしたって連想してしまうけれど、こと4巻目にきて作品の構造的な部分に変化が出てきました。

確かに、これまでもその傾向がわずかではあったにせよ、1話完結のレギュラードラマからほんのわずかにストーリードラマ化。にもかかわらず、オムニバス化することもなくあくまで主人公のワカコを中心としたグランドホテル形式。

もし、これを1巻目でやられたとしたら「ちょっとねえ……」という気になったかもしれませんが、土台が完成しての4巻目でのこの変化はそれ自体が作品のアクセントになっています。

お約束展開のなかに、ピリッと薬味を効かせた的な?

そんな感じです。

 

あいもかわらず、ほどほどのほろ酔い路線で、今回は「飲みすぎたからこのへんでやめておこう」とか「ちゃんとチェイサーも飲まなきゃ」という風に自制の描写がとても印象的でした。

1巻の家飲みで見せた「とことん飲むぞ!!」つって、ワイン飲んでビール飲んではてはウイスキーまで出してきたあの頃とは雲泥の差です。

前にも書きましたが、女性主人公だからこそのほどほど感が作品全体を覆う”ほっこり感”につながっていて、ページをめくりながらほんわかします。

 

ただ、この作者の作品は全部が全部このほっこりとしたほんわか感満載なので、ワカコ酒が特化してどうのこうのというより、完全に作家性の部分。

悪い言い方をすれば、新連載の告知や、本の帯の煽り文句を読めばどういう内容か予想できてしまうし、告知や煽り文句以上のものはありません。

これを安定ととるか、それとも退屈ととるかは、読む側の感じ方の問題です。

お約束の展開をし続ける、というのは、そもそもレギュラードラマの根本的な核の部分。どうしてもそこがネックになると同時に、変わることのない世界観、というのは最大の強みでもあって……。

作品をクリエイトするのはムズカシイですね(´-ω-`)う~む

 

とはいえ、本作の見どころであり読みどころはですよ、みみみ皆さん!!

ワカコに、ワカコに新たな恋の出現が!!

ワカコのことを後輩の白石君が興味を持ち始めるというキタコレ!!な展開ですよ!!

ついにワカコに春が来ましたよ♪*1

 

なんとなく、ワカコとダーリンの関係性が『喰う寝るふたり 住むふたり』という漫画を連想してしまいます。ここに、ここに後輩の白石君が参戦か!!

やったぜ修羅場だ修羅場!!大好物だぜヤッホ~イ!!

喰う寝るふたり 住むふたり  1(ゼノンコミックス)

喰う寝るふたり 住むふたり 1(ゼノンコミックス)

 

これはこれでなかなかいじらしいというか、機嫌の悪い時に読むと若干以上にイラっとくるなかなかに素晴らしいマンガです。*2

 

4巻でスキなのは、このセリフ。

確かに働くって辛いこともたくさんあるけど、たまに自分で稼いだお金でささやかな楽しみを作れるんだよ。それはかけがえないよ。

終わりに「たまにだけどね」と結ばれるけど、マジメに言ってしまえば何かと角の立ちそうな重たい言葉が、ふんわりしてやわらかい響きになる。

 

ワカコ酒』あいかわらずとっても面白かったです。

さっそく5巻目の発売が待ち遠しい。

*1:作中には存在だけ登場するが、ワカコには結構長く付き合ってるっぽいカレシがいる。ちなみにカレシは下戸で生ガキがダメというのがワカコにとっての目下の悩み。

*2:クリスマスとかバレンタインデーとかいう伴天連の邪教の行事の日に読むと、この上なくイラっとします。