眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート [DVD]

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巨匠マーティン・スコセッシ監督と人気俳優レオナルド・ディカプリオによるブラック・コメディ。

株屋のジョーダン・ベルフォードの栄光と転落を描いた物語です。

 

某黄色い看板の中古屋さんで、破格のプライス500円。

( ゚ ▽ ゚ ;)エッ!! ってなって買いました。

ホントに500円でした。

 

スコセッシ×ディカプリオといえば『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アビエイター』『ディパーテッド』 『シャッターアイランド』。

それら過去作品と比べても、とても異色な雰囲気なのがこの作品。

 

風説の流布によってクズ株を売りつけ、株価が最高値になったところで売り抜ける。

この古典的な詐欺手法で莫大な富を築き、あとはドラッグとセックスという狂乱の日々。

この辺りは、ライブドア事件ネオヒルズ族の狂乱の日々を思い浮かべてしまいます。

とんでもない狂騒の日々は、まったくもってメチャクチャ。

当然おごれるものは久しからずで、転落して刑務所に。でも……。

という大どんでん返しは、事実は小説より奇なり。

 

作品的には傑作『グッドフェローズ』の路線で、成り上がりからの転落が描かれています。ただ『グッドフェローズ』よりもさらに下世話で低俗。

グッドフェローズ [DVD]

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見ていて印象的だったのが、登場人物の子供っぽさ。

ジョーダンが築き上げた会社自体が、なんというかコドモの帝国。

欲望に忠実な幼児性で成り上がりそして転落していくジョーダンの存在が、人気絶頂期の”レオ様♥”から脱却できないディカプリオの存在とオーバーラップして見えてきました。

 

お金、というものへの直情的な欲望が、セックスやドラッグといったより卑近で直情的な欲望と連携するのも、本作の低俗さをより際立たせていて、一種のブラックユーモアとしての引きつった笑いを演出してくれます。

 

資本主義社会の極端な側面として、お金が世界を支配する、という考え方があります。

これを、お金=欲望、といいかえると、欲望こそがこの世の構造の全てだ、とも言えるのかもしれません。

ただ、このテーマに関しては特に目新しいものではなくて、名作『ウォール街』の中でゴードン・ゲッコーが口にする印象的な台詞「強欲は罪か?」に代表されるように、わりとクリシェ(紋切り型)にも等しいくらいに使い古されたテーマのようにも感じられます。

でも、これは貨幣経済というものが人間社会に生み出された瞬間からの命題であって、これからもずっとずっと付きまとい続ける問題ではないでしょうか?

 

個人的に、この映画を観ていて終始思い浮かべてたのが、デヴィッド・フィンチャー監督の『ファイトクラブ

最早説明不要の名作で傑作ですが、この映画はまさに『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の対極です。

ウルフ・オブ・ウォールストリート』が資本主義の極論を描く映画なら、『ファイトクラブ』はそれに対して「うるせえ、この資本主義のブタどもめ!!」と殴り掛かってくる映画。

まあ、どっちも極論には違いないのですが、対にして観賞するとより深く楽しめるのではないのかな?と思いました。

 

人間の欲望は限りないし、それが良い方向に作用すれば向上心につながるけど、でも、世の中にはそこに付け込む人間もいるわけで。

……なので、ただの下世話なブラックコメディというよりは、むしろ人間が本質的に持つ欲望という業について考えさせられる映画でした。

 

とはいえ、裸のオネーチャンとセックスがバンバンでてくるなかなかにイカした映画なので、デカプーが主演だし、スコセッシ監督の映画だから、とかいってアベックカップルで見ると大変なことになるだろうな、と思いました。*1

それと、冒頭で助手席の女の人がデカプーのアレをアレするシーンを「車はフェラーリ、助手席でもフェラーリ」と評した映画評論家の町山智浩さんは、さすが映画とエロの伝道師だな!!と思いましたテヘヘッ(*゚ー゚)>

 

最後に蛇足ですけど、なんで男の人は極端に成功した途端、それまで苦楽を共にした奥さんを捨てて新しい女に乗り換えるんですかね?

やっぱ、あれっすか?

女は新しいのに限るって話っすか?(━_━)ゝウーム

*1:映画『タクシードライバー』の主人公トラヴィスは、せっかくイイ感じになった彼女を映画デートでポルノ映画館に連れて行ってしまい、激怒されて振られました。