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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

スキャナーズ

スキャナーズ リストア版 [DVD]

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スキャナーと呼ばれる超能力者たちの死闘を描いたSFホラー映画。

監督は奇才デヴィッド・クローネンバーグ

 

とにかくこの映画、ものすごく面白いです。

なので、「『スキャナーズ』は必見です♥もうサイコーです♪ (・ω<) テヘペロ」と書いて終わりにしようと思いましたが、それもあんまりなのでいろいろ書いていくことにします。

 

普通、善の超能力者VS悪の超能力者の映画、となれば「コドモだましの映画でしょ」ってなるんですけど、そこはクローネンバーグ監督。

物語の中に現実問題を盛り込むことで、ある種のリアルさを生みだすことに成功しています。

 

本作でスキャナーたちは、ライプ計画という人体実験(?)の下で誕生した、とされています。

ちなみに、ライプ(RIPE)の意味は”成熟”。

超能力を有することによる精神の変質や種としての進化を、”成熟”という言葉で表現してみせるあたりが、インテリで知られるクローネンバーグ監督らしくてグッときます。

また、このライプ計画での薬物投与による胎児の突然変異は、50~60年代に社会問題になった薬害サリドマイド禍なのは言うまでもないこと。

この社会事件を盛り込んだ作品として『ローズマリーの赤ちゃん』がありますが、そちらが下世話な見世物趣味なのに対して『スキャナーズ』は物語の根底をなす構造の部分にしっかりと根ざしています。

要するに、薬害による奇形をスキャナーズという特別変異に置き換えてという……これもまた、クローネンバーグ監督らしいですね。

 

実際問題として”超能力者を生み出す”と聞くとオツムは大丈夫なのか?という感じですけど、これって結構マジメに研究されてきた問題だったりします。

映画で言うと、アメリカ軍の超能力部隊創設に関するコメディ『ヤギと男と男と壁と』。

この映画の中で出てくる”ジェダイ計画”は、当時のアメリカ軍が本気で取り組んだ計画だったりします。また、大戦中はこういったことをナチスドイツがやはり本気で研究していたという事実もあります。

一見荒唐無稽に見えるシロモノでも、実は武器として兵器として有効性があるというふうに考えられていた時代があったかと思うと、バカバカしくもあり、でも恐ろしい。

 

いずれにせよ確かなのは、非常に重厚な映画だということ。
特に悪のスキャナーであるマイケル・アイアンサイドの演技は特筆モノ。
”カナダのジャック・ニコルソン”と後に異名を取るのも納得。

本当に目の離せない演技はぜひぜひ見ていただきたいです♪

 

レンタルで見たのですが、そのときはレストア仕様の非常にクリアな画質でした。
81年の映画なので古いんでしょ?と思う人ほど、この高画質で見てほしいと思いました。

さすがはクローネンバーグ監督。
ホントにスキのない名作です。