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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

オールドボーイ

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

 

韓国映画の奇才、パク・チャヌク監督の”復讐3部作”*1の2作目。

本作はその年のカンヌ映画祭に出品され、審査委員長だったクエンティン・タランティーノから絶賛されグランプリを受賞。また、2013年にはスパイク・リー監督によりハリウッド版としてリメイクされました。

 

突如15年間監禁された男の脱出劇と、その監禁に隠された謎と壮絶な復讐とを描くアクションサスペンスなのですが、それは前半の話。後半はこの15年間の監禁の裏に隠された記憶を巡る物語へと展開していきます。

 

もともと、この『オールドボーイ』という物語は日本の漫画が原作。

それがコチラ。

新装版 オールド・ボーイ(1) (アクションコミックス)
 

 

連載誌が『漫画アクション』ということもあり、玄人好みというかマイナーというか、そんな感じなので、日本では映画化されなかったのが逆によかったのかも。

どういう風によかったのか?というと、やっぱりイチにもニにも、これでもか!!と言わんばかりのスタイリッシュな暴力描写につきます。

一時期の日本映画は非常に暴力的でした。だからこそ、海外にマーケットがあり多くの日本映画ファンがいた訳ですが、何時の間にやらそれは自主規制という名の下にどんどんと姿を消していき、”ほんわかして和気あいあいとした優しい家族の感動の物語” というようなゴミ映画当たり障りのないものばかりが、現在進行形で量産されています。

 

そこにきて、韓国映画です。

聞いた話では韓国は国内映画マーケットが狭いということもあり、最初から海外での販売で利益を出すことが大前提だとか。そのため、ロジャー・コーマン師匠がかねてより繰り返しおっしゃられているように「エロ・グロ・バイオレンスは世界中にマーケットがある!!」を忠実に実行しています。

まあ、それはいいとして。

 

悪意なき悪意として噂が生み出した悲劇。

それは果たして真実の告発なのか、それとも舌禍なのか?

これによって生じた「同じ苦しみをお前にも味わわせてやる!!」という復讐の果てにある絶望を、敵味方の両面から描くという手腕もスゴイ。

なによりこのパク・チャヌクという監督の復讐3部作での一貫したテーマ”私は獣にも劣る人間ですが、生きる権利はあるんじゃないですか?”がとくにこの作品では重要なキーワードになってきます。

 

驚愕の、全くカタルシスのない絶望的なオチといい、普通の映画2本分のスペクタクルが味わえる非常に強烈な映画。

……昔は、日本映画だってこのくらいのものを作っていたのにねぇ。

*1:他作品として『復讐者に憐れみを』『親切なクムジャさん』がある。