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積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ビフォア・ウォッチメン/ブライアン・アザレロ,J.G.ジョーンズ,リー・ベルメホ,

ビフォア・ウォッチメン:コメディアン/ロールシャッハ (DC COMICS)

ビフォア・ウォッチメン:コメディアン/ロールシャッハ (DC COMICS)

 

アラン・ムーア原作による傑作アメコミ『ウォッチメン』の前日譚。

本作では、”コメディアン”と”ロールシャッハ”が『ウォッチメン』へと至るまでの物語が描かれます。

 

原作の『ウォッチメン』は、はっきり言ってかなりダークな作品です。

ザック・スナイダー監督によって映画化された時も、アメリカでの公開時のレイティングでの説明が”strong sex and violence”。この文言が『ウォッチメン』という作品の本質を表しています。

セックスと暴力、そして政治。この3つが『ウォッチメン』という作品を語る上での欠かせない要素。日本のマンガで言うと……『ゴルゴ13』とか『カムイ外伝』とかが近いかな?

繰り返すようですけど、ザック・スナイダー監督の見事な手腕で映画化されていますので、まずは一度ご覧ください。特にオープニングは必見です。


ウォッチメン - YouTube

 

ウォッチメン』の基本となっているのは、アメリカの近代史。

ベトナム戦争ケネディ暗殺、フラワーチルドレン運動や、ウォーターゲート事件など。そういった歴史の暗部で、誰に知られることもなく暗躍するヒーローが描かれます。『アベンジャーズ』と違って、『ウォッチメン』に登場するヒーローはハッキリ言って異常者ばかりです。

人間賛歌を前面に打ち出す明るいアメコミ映画と違って、人間の暗部を前面に(極端なくらいに)推し進める『ウォッチメン』は、アメコミという枠組みからしても非常に変わった作品なのは間違いありません。

そこがそもそもの原作者であるアラン・ムーアの作家性。

そこがいいのか悪いのか?は読み手の側が判断する事。

なので、好みがきっぱり分れる作品。

 

個人的に、ロールシャッハの話が魅力的でした。

自警主義のヒーローであるロールシャッハのキャラクターは正に鉄板。

『タクシードライバー』のトラヴィスや『狼の死刑宣告』のニック。


タクシードライバーTaxi Driver 1976 - YouTube


『狼の死刑宣告』日本版予告編 Death Sentence Movie Trailer ...

自警主義という行き過ぎた正義の暴走する様子が、彼自身の中にある鬱屈した精神と相まって、不思議と魅力的なキャラクターに見えてきます。

見た感じもカッコイイし。

 

ただ、反面としてコメディアンの話はちょっと……。

個人的に、あんまり好きになれないなあ。

もっとも、そういうキャラクターとしてコメディアンは作られているので、まんまと手のひらで踊らされている気がします。

まあ、仕方ない。

 

日本のマンガのコマ割りとかに慣れた目では、すごくヒトコマヒトコマが小さく感じるけど、ストーリーの重厚さは比較になりません。

……ホントにすごいマンガだわ。

読んだ後、また映画『ウォッチメン』が見たくなりました。

 

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