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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

鉄人28号 白昼の残月

鉄人28号 白昼の残月 DVD

鉄人28号 白昼の残月 DVD

 

漫画家・横山光輝の代表作を『ジャイアントロボ 地球が静止する日』の今川泰宏監督が劇場映画化。 

この作品を劇場で見た訳ではないですが、製作時の情報は結構マメにチェックしてたのを思い出します。

製作発表されたのが2005年だったのですが、その後、様々なゴタゴタがあり企画がストップ。「ああ。残念だなあ」と呑気に思っていたら、いつの間にやら劇場公開されていたという。

なんか、”3部作で作る”みたいな話を聞いたような、聞かなかったような気もしますが、あまりよく覚えていません。

 

それはともかく、この作品をなんでそこまで注目したかというと、監督が今川泰宏さんだからです!!(断言)

 

今川監督といえば、ガンダムの富野監督から「今までにないガンダムを作ってくれ」というオファーの下、ガンダムに香港アクションを大量投入するという常軌を逸したアイディアによって『機動武闘伝Gガンダム』を作った方として非常に有名。

そしてなにより、今川監督といえば『ジャイアントロボ 地球が静止する日』ですよ!!

そんな今川監督が最も敬愛する漫画家が横山光輝氏。

もちろん『ジャイアントロボ』自体が、『三国志』『水滸伝』『バビル2世』に『魔法使いサリー』まで登場する横山キャラ総出演のスターシステム映画。

その際もことあるごとに言っていたのが「へその緒を切ったその瞬間からの横山光輝ファン」なので、ある意味この人選は当然の結果。

 

で。

 

そんな筋金入りの横山ファンの今川監督が、鉄人28号を作ったらどんなことになるのかな?と思ったのですが、これがまた、とても見ごたえのある作品に仕上がっていました。面白い、というよりもまず、今川監督らしい、熱くて燃えるオトコのコ映画の決定版です。

 

舞台となるのは1955年の東京。

戦後復興華やかな高度経済成長期という表側と、大戦の深い傷跡を抱えた裏側とが作中で見事に対比されていて、ある意味での戦後史の総括のようにも見えます。

もっとも、現代史的な総括というよりは、もっとエンタメ寄りの戦後史。

仁義なき戦い』シリーズや『麻雀放浪記』そして『ゴジラ(第1作目)』へのリスペクトと言い換えてみてもいいかもしれません。

特に『ゴジラ』へのリスペクトは随所に表れていて、戦闘シーンの舞台が銀座三越前なのは間違いなくゴジラオマージュ(笑)

さすが、今川監督。わかっていらっしゃる。

 

同じように”わかっている感”で顕著なのは、特撮への愛というかオマージュ。

鉄人のスケール感や、作品全体を貫く往年の『少年倶楽部』的なオトコのコな雰囲気は、昔の特撮番組そのもの。加えてナレーションは矢島正明氏という鉄板(笑)

オタクの番長(by町山智浩氏)であるギレルモ・デルトロ監督も大喜び間違いなしですね!!

 

 ストーリー的には、大戦中の超兵器として開発された鉄人と廃墟弾を軸に、戦後社会を希望溢れる平和な社会と捉える戦後派と、敗戦によって堕落したと捉える戦中派とがせめぎ合う物語です。意外とお気楽なロボットアニメではなくて、結構物語は重厚。

今だと、宮崎駿監督の『風立ちぬ』と見比べてみると面白いかも。

 

物語の中における”自己犠牲の精神”が”特攻の精神性”と絡めるのは、確かに上手いけれど、個人的に若干モヤモヤしました。”作られたが使われることのない超兵器”という字矛盾した代物が、戦後の平和な社会の中で牙をむき、更にそれを止めるために誰かが犠牲にならなければならない、というのは、お話としては間違っていないけど、若干モヤモヤ。まあ、別に大した問題じゃないですケド。

 

パシフィック・リム』に燃える人は、ぜひぜひ♪

とにかく、期待以上に面白い熱いアニメでした♪