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積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃

ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃 [DVD]

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平成ガメラシリーズを手掛けた金子修介監督が満を持してメガホンを取ったゴジラ映画。

ストーリーは……

日本を襲ったゴジラを防衛軍が撃退して半世紀が経とうとしていた。防衛軍はグアム島沖で消息を絶った原子力潜水艦の救助のため特殊潜航艇「さつま」に出動命令を下す。現場に向かった「さつま」のクルー・広瀬は、原潜の残骸の近くで青白く光りながら移動する巨大な生物の背びれを目の当たりにする。
一方、新潟県妙高山大田切トンネルでは暴走族が赤い怪獣に襲われ落石と土砂の下敷きとなり、鹿児島県・池田湖では盗品でパーティを開いていた11人の若者が怪獣の吐いた糸で繭に包まれた状態の遺体で発見されるという怪事件が続出していた。「BS・デジタルQ」のリポーター・立花由里は、事件の場所が『護国聖獣伝記』に記されている3体の聖獣バラゴン・モスラ・ギドラが眠る場所に一致していることに気づく。由里は謎を突きとめるため伝記の著者・伊佐山嘉利教授に出会う。そこで伊佐山は「ゴジラは太平洋戦争で死亡した人々の怨念の集合体である」と語り、ゴジラから日本を守るため護国聖獣を蘇らせようとしていることを知る。
ゴジラ小笠原諸島・孫の手島を壊滅状態にした後、静岡県・焼津港へと上陸しそのまま東京を目指した。山梨県本栖湖付近にはバラゴンが現れ、大涌谷ゴジラに戦いを挑むが敗れてしまう。そんな中池田湖では巨大な繭が浮上し、富士の樹海の氷穴ではギドラが目覚めようとしていた。
防衛軍もゴジラ迎撃に挑むが、ゴジラには通常兵器は効かず、その進撃を食い止められない。横浜の最終防衛ラインで待ち構える防衛軍の目の前で、ゴジラモスラ、ギドラの死闘が始まる。(wikiより転載)

です。

とにかくこの映画、1にも2にもゴジラが凄まじいまでに凶悪、という点につきます。

そのあたりは当時の撮影技術でもって第1作目のゴジラを最大限にリスペクトしつつ、アップデートしてるな、っていう印象。とにかく1作目のゴジラにあった圧倒的な暴力性とか恐怖が描かれています。

モスラはまだしも、バラゴンとかキングギドラが味方、というのを最初聞いた時は「大丈夫なの?」と思いましたが、いざ見てみると何の違和感もありません。

むしろ、ゴジラの威圧感が凄まじいので、バラゴンがカワイく見えてくる不思議。

ホント、凄まじいまでの大殺戮と大破壊を描きながらも、ゴジラを戦争のメタファとして非常によく表現していて、こりゃ大傑作だわ♪と納得。

近年の邦画の戦争映画の遙か高みを行く傑作中の傑作です。

戦争(ゴジラ)という災厄の前ではどんな不条理も起こりうるし、どんな不条理も現実でしかない、というのを描いただけでも、大人の観賞に耐えうる見事な、そして堂々たる映画作品だと思いました。

 

何といっても圧倒的なのは破壊と殺戮。

たしかに、今の目から見るとCGがだいぶ甘いなあとは思いますけど、ミニチュア撮影での都市破壊の迫力のスゴいことと言ったら……。

当時は不況の真っ最中だからそんなに製作費もないだろうに、とにかく壊す壊す(笑)

そのうえ人も死にまくる(笑)

助かった、と見せかけて殺して見せたり、そこには明らかにたくさん人がいるだろ、というところを派手にぶっ壊してみたり、とやりたい放題(笑)

でも、こうして黙示録的な大混乱の光景って、1作目のゴジラでやってたこと。

うん、確かに原点回帰だ。

さらにいうと、東北大震災という未曾有の大災害を予見した、というか(たぶんたまたまそうなった)、放射能の恐怖であるとか、とにかく逃げ惑う人々のパニックぶりとかが異常に生々しい。

戦争であるとか、災害であるとか、そういった個人レベルでは到底対処できない不条理な存在に対して、人間がいかに無力であるのかを、まざまざと思い知らされます。

でもその一方で、立花准将のようにその不条理から人びとを守るべく立ち向かうキャラクターがいて、すごくそれが際立ちます。

映画のなかでは防衛軍として描かれる自衛隊。その将校である立花准将のセリフ。

70年にわたって一度の実践も無かったことこそ、我ら防衛軍の誇りだ(うろ覚え)

最前線で戦う人物の言葉として、これはグッとくる。実際、立花准将は本当に最前線で戦うし。

黙示録的な圧倒的な絶望と対峙した時、人間は何をするべきか?というテーマは、子供向けの怪獣映画とは思えない高尚なテーマ。しかも、それが決して前面に出て目立つわけではないところも、大人の観賞に耐えうる部分。

 

ゴジラが現実に存在する世界で、ゴジラの存在を忘れた人々が再びゴジラの脅威にさらされて逃げ惑う、というのは、明らかに戦争を忘れて繁栄に溺れる現代の姿。

戦争という災厄を忘れたときほど、人々は社会は簡単に戦争に突き進んでしまいます。過去の歴史が示すように、平和がどんなに貴いものか知っていながら、それを忘れて戦争を口返してきた積み重ねが、人間の歴史。

それを怪獣映画という娯楽作品として戯画化する試みは、非常に功を奏していると思います。ゴジラという存在ほどそれにうってうけのものはないわけで。

 

何はともあれ、息を呑むような圧巻の映画でした。

大傑作デス♥

 

 

【追記】

なお、公開当時の併映は『劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』。