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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い

 

時は1988年。世界大戦をもくろむ悪の組織と、それを阻止しようとする”超人紳士同盟”との戦いを描いた大冒険活劇映画。

主演のショーン・コネリーは、本作で映画から引退してしまいました。(T_T)

 

今となってはとても懐かしい感じですが、一言で言ってしまうと”文学版アベンジャーズ”。登場するキャラクターも、19世紀末~20世紀初頭の結構有名な文学先品から登場しています。

 

ざっと挙げても……

 

【アラン・クウォーターメイン】

ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

 

 

【ネモ船長】

海底二万里 (創元SF文庫)

海底二万里 (創元SF文庫)

 

 

【ミナ・ハーカー】

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

 

 

【ドリアン・グレイ】

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

 

 

【トム・ソーヤ】

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

 

 

【ロドニー・スキナー】

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

 

 

【ジキル博士】

ジキル博士とハイド氏 (創元推理文庫)

ジキル博士とハイド氏 (創元推理文庫)

 

 

原作を知ってればより面白いのは間違いないですが、ほとんどがよく知られてるキャラクターだし、仮に全く知らなくても、今の視点だとX-MENとかアベンジャーズを昔の時代でやってる作品、というザックリした感覚で楽しめます。

ただ、そういった今のヒーロー大集合映画と違って、ちょっと暗さがあります。

その原因は明確で、原作者がアラン・ムーアだから。

アラン・ムーアといえば傑作『ウォッチメン』の原作者として有名で、かの『ダークナイト』でも原作の一端を担っています。*1

ただ『ウォッチメン』のような”正義を疑え”的な部分はあまりなくて、アラン・ムーアらしさがないといえばない気がします。その分、ごくごく普通の大冒険活劇映画になっているので、良いとも悪いともいえません。

確かに、来たるべき第1次大戦という世界人類が初めて体験する大殺戮を阻止しようとする超人紳士同盟の活躍と自身の境遇への葛藤、という部分にアラン・ムーアらしさがあるといえばありますけど、でも現実に第1次大戦は阻止できなかったし、映画の中で登場した超兵器の数々(潜水艦や戦車、機関銃など)は実際に戦場で大量の犠牲者を生み出す結果に。

物語の中間部、一番の盛り上がりどころであるベニスの秘密会談を守り抜く、という部分も、残念なことに集っているはずの各国首脳の姿は一切描かれないし、そもそも何を話し合ったのか、話し合った結果どうなったのか、はノータッチ。これ自体が実は……という解釈もできるけど、なんかあまりに軽い扱いでうーんと思っちゃいます。

なんかこれじゃあ、せっかくのアラン・ムーア原作というのが全然意味ない気がして残念です。

 

あと、個人的にここに登場するキャラクターの原作本の中にものすごく好きな本や、何度も何度も読んだものがあったので、色々言いたいところがチラホラ。

例えば、ミナ・ハーカー。

彼女は吸血鬼なのですけど、最初にその正体を現した時、鏡を見て口に着いた血とか髪の乱れを直すのですが、いくらなんでも甘い!!

吸血鬼は鏡に映らないの!!これは原作にもあった吸血鬼モノの鉄板のお約束だし!!

あと、晴れ渡った青空のもとにホイホイ出てくるのも、なんだかなあと思いました。

 

あと、これも個人的に引っかかるポイントとして、やっぱりネモ船長は外せません。

最初にこの映画を見たとき、”インド人でクンフーの達人”というキャラクター設定に「ちょっとまて」と思いました。

もしかしたら海外ではそういう設定が簡単に受け入れられるのかもしれないけど、子どものときにワクワクしながら見てた『ふしぎの海のナディア』のネモ船長が刷り込まれているので、どうしても違和感が(/_;)


ふしぎの海のナディア 【我らの万能潜水艦N-ノーチラス号】 MV - YouTube

 

ともあれ、ダメな方のアンダーソン監督の『三銃士』につながる「細けえことはいいんだよ!!」と言わんばかりの力技展開が連続して続く、少年ジャンプみたいな映画なので、見た後の余韻とかは全くありません。逆に、観てる間じゅうはすごく楽しかったです(^_^)v

 

作品の中の裏テーマとしては父から子への物語。

アラン(父)とソーヤ(子)の関係性だったり、彼らのシーンはそのものスバリ。物語的には仕方ないとはいえ、ちょっと露骨すぎるかなあ……。

世代間での経験の伝承と、偉大なる父を乗り越えること、この二つを描くにあたってショーン・コネリーという映画界最強の父親がキャスティングされているので、余計にわかりやすいです。*2

本作自体がこれでもかと言わんばかりに荒唐無稽な映画なので、このくらい露骨でわかりやすいほうがいいような気もしてきました。

 

ちなみに、眼鏡堂のイチオシは勿論、ドリアン・グレイ様です♥

彼を見るためだけでも価値があるような気がします。多分。

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諸事情があった所為で、煮え切らないラストになってしまったのは残念だなあ。

もし、ショーン・コネリーが引退しなかったら、続編が作られたのかなあ?

でも、今さら続編を作られてもねえ。

いっそのこと、リブートしてくれないかなあ? 

*1:悪役のジョーカーのキャラクター造形に、彼が原作を書いた『キリングジョーク』でのジョーカーが大きく参考に慣れています。

*2:インディ・ジョーンズ』シリーズでも同様の試みがなされています。