眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

LAUGHIN'NOSE - ラフィンノーズという生き方

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結成30周年を迎えるパンクバンド、ラフィンノースに迫ったドキュメンタリー。

正直な事を言うと、眼鏡堂にとってパンクロックは敵です。

なぜなら、彼らによって眼鏡堂が愛してやまないプログレッシブ・ロックが壊滅させられたという音楽史的な経緯があるから。

とはいえ、40を過ぎ、ボーカルに至っては50歳になってもなお、若々しい、というか青臭いパンクロックをやり続けるのは、スゴイというかバカバカしいというか……。

何とも言えないエネルギーに満ち溢れています。

 

ちょっとびっくりしたのが、彼らはメジャーレコード会社に所属することなく、全て自主製作。スタッフもなく、ライブのブッキングからマネージメントまで全部自分たち。

同じような系統の作品に『アンヴィル ~夢を諦めきれない男たち~』というのがあります。こっちと明らかに違うのは、売れたい、スターになりたい、というような意識がラフィンノーズにはないところ。
売れたい、とか、スターになりたい、というのは、彼らに言わせれば「パンクじゃねえ」ということなのかな?

パンクという精神性だけで、今に至るまで30年。

 

すべての余計なものを切り落とすのがパンク。

音楽史的には、大仰でテクニカルで長尺のプログレへのカウンターとして登場してきたので、簡潔なコード進行、ほとんどまったく技術を必要とせず、ただひたすらに初期衝動をぶつけることのみに重きを見出す音楽。

でも、そういう強烈な初期衝動は、ある意味若さあってのこと。

セックス・ピストルズもダムドもニューヨーク・ドールズもない。

ラモーンズも解散した。

でも、年を取りながら、ラフィンノーズはまだ走り続けている。

このエネルギーってなんだろう?と思います。

 

年齢を重ねることを”枯れる”と表現されます。

生きることの摂理が示すように、生きることはエネルギーの減衰とイコールです。

エネルギーが徐々に減衰していって、ゼロになった瞬間が死ぬとき。

生き物はすべてそうで、一切の例外はありません。

バンドという集団もその例外ではなく、バンドとしてのエネルギーも徐々に減衰していきます。それは音楽性の変化という風に表現されることもあるし、エネルギーがある一定の水準を下回ったときに解散することもある。

絶対に逃れられないそれに対して、必死に抗って見せる彼らの姿は滑稽とも取れるし、胸を打つ何かがあるとも取れる。

 

紆余曲折を経ながら、それでもただひたすらに前に進むバンド、ラフィンノーズ。

変わらないことの貴さと愚かさ、そして危うさ。

何となくですが、パンクバンドとしての最高の生き方、みたいなものがありありと溢れた映像作品でした。