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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

魔術師と呼ばれた男

テレビ【アニメ】

 

LUPIN THE THIRD first tv. DVD-BOX

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TVアニメ『ルパン3世』の第1期シーズンから、第2話『魔術師と呼ばれた男』を観ました。

ルパンのイメージは、赤いジャケットに黒のシャツ、黄色いネクタイ。

でも、第1期シーズンでのジャケットは緑色。雰囲気も全体的にアダルティ。

調べてみたら、”オトナのアニメ”を目指したとか。車といい銃といい、ディティールの書き込みのすごいところも、オトナ路線。いまや名探偵コナンと共演するまで落ちぶれた低年齢化したルパンと比べ、この当時はもうハードボイルドの世界だ。

 

そんな第1シリーズの人気エピソードのひとつが『魔術師と呼ばれた男』。

謎の男パイカルとルパンたちとの戦いを描いた作品ですが、全体の雰囲気がとても風変り。物憂くて、アンニュイで、気怠い……。

登場する謎の男パイカルにいてもほとんど何も語られないし、全体的に温度の低い演出や演技といい、ちょっと変わった作品です。

この雰囲気を生み出した最たるものは、なんといっても脚本。書いたのは、他でもない大和屋竺さん。このルパン以前に問題作『殺しの烙印』の脚本をメインライターとして手がけたお方です。

殺しの烙印』がそうであったように、奇妙なもの悲しい歌*1や、謎の殺し屋たちの気怠い雰囲気。全く説明がなく、観客を突き放すようなお話の組み立て。

たしかにこれは『殺しの烙印』そのもの。

この辺の突き放し具合は、大和屋脚本の作家性なのかな?


町山智浩の映画塾! 殺しの烙印 <予習編> 【WOWOW】#81 - YouTube

 

 

キーとして登場する謎の男パイカル

炎を操り、空中に浮かび、銃弾を受けても死なない魔術師のような男。

全く説明されることのないパイカルの秘密が明らかになるにつれ、彼自身が全く大したことのない人物だったことに気づかされる。

まったく熱っぽさを持たないまま戦いの中で敗れて命を落とすパイカル

ルパンの方が一枚上手という事なのだろうけど、こんなに景気よく突き放す脚本ってちょっとお目にかかれない。だって、普通だったら、パイカルが何者でどうやって魔術師みたいになりえたのか、という事を説明したがるのに。

説明されたのは、物理的な種明かしだけで、彼自身がどういう人物なのかはさっぱり。

でも、タイトルにあるように、このへんの全く説明のないところが”魔術師”という言葉の具合にマッチしていて、逆に興味を引き付けられます。

 

後年のルパンのイメージしかないけど、最初のシーズンはずいぶんアダルティ。

っていうか硬派だよね。このシリーズ。

あと、他に7話の『狼は狼を呼ぶ』でも大和屋竺さんが脚本を担当しています。

こっちも傑作エピソード。

 

たった30分のアニメなのに、すごい完成度。

楽しい♪

 

*1:殺しの烙印のテーマ曲『殺しのブルース』。ちなみに、作詞と歌唱は大和屋竺本人だ。

www.youtube.com