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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV/越前魔太郎

 

魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)

魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)

 

謎の覆面作家越前魔太郎によるミステリ小説。

いわゆるライトノベルは中高生の頃だいぶ読んだけど、ある時期からぱったり。

同時に、講談社ノベルズ作家のあーいう内輪的な盛り上がりもちょっとなあ、という感じになり、気付けば古典的な純文学とか幻想文学とか、そーいう少数民族なジャンルへ着地。

思えば遠くへきたもんだ(ため息)

 

とはいえ、ジャンルなんてどうでもいい、面白い本が読みたい、という欲求は相変わらずなので、直感でピーン!!ときた面白そうな本が、コレ。ってか、このシリーズ。

今更なのはナイショだぞ♪

 

講談社ノベルスなので、青春ミステリ、みたいなのを想像してたらナナメうえの始まり方にちょっとびっくり。

生きた人間を繋ぎ合わせて作る『人体楽器』が登場。もうこれってスプラッターホラー?それに謎の人物【冥王星O】といい、もうホラー映画の世界。そうはいいながらも、主人公である”俺”が人体楽器と【冥王星O】についての謎を追うところはしっかりミステリ。ラノベといえばラノベだし、講談社ノベルス的な青春ミステリといえば確かにそう。……なんとゆーか、不思議な感触の小説。
それは文体にも表れていて、冒頭の人体楽器とかの描写は確かにグロテスクなスプラッターなんだけど、不思議と気持ち悪さがない。筆致が落ち着いていて、全体的なトーンが淡い、というか、温度が低いので、余計に無機物めいた感じがする。

そのわりに、主人公に関わる描写とかはノワール小説というか、ハードボイルドチックで、冷たさと熱さの全く相反する要素が絶妙な混ざり加減。

冥王星O】【顔のない女】【窓をつくる男】【醜悪な臓物】という特徴的なネーミングセンスといい、途中途中のSF的な展開といい、『メフィスト』とかに平気で連載されてそうな感覚がとても懐かしいです。

 

途中途中の展開が突拍子もないのに、不思議とそれが不自然に感じません。

読みながら、似てる小説があったなー、と思い出したのが、佐藤友哉さんの『1000の小説とバックベアード』。

1000の小説とバックベアード (新潮文庫)

1000の小説とバックベアード (新潮文庫)

 

 これも小説という世界を舞台にてんやわんやする作品でしたが、佐藤友哉さんも講談社ノベルス出身なので、そもそもの出版社としての色というか個性がそうなのかもしれませんね。

 

ただ、後半の畳み込み方が個人的にちょっとイマイチに感じられて、パッパと読み飛ばしモードに入ったのはちょっと失敗。展開に次ぐ展開なのに、不思議と引き込まれなかったのは残念。もう一回読み直そう。

 

そこはかとなく漂うせつなさ感が、非常にいいアクセントです♪

 

 

【追記】

越前魔太郎先生の(今回の)中の人は、この人だ!!