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積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

悪いやつら

 

悪いやつら [DVD]

悪いやつら [DVD]

 

 1990年、当時の韓国大統領、盧泰愚大統領によって宣言された「犯罪との戦争」宣言により岐路に立たされた韓国ヤクザたちを描くギャング映画。

主演は、『オールドボーイ』などで知られる名優、チェ・ミンシク。共演は『チェイサー』『ベルリンファイル』などのハ・ジンウ。

 

見たいなぁ、と思いながらもなかなかレンタルで見つからず、やっとこさ発見して早速借りてきたのでした。

いや~、やっぱスゴい映画でした。

「この監督、マーティン・スコセッシ作品が大好きなんだろうな」ってくらいに、話の路線が『グッドフェローズ』&『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。

加えて言えば、やっぱ『仁義なき戦い』。でも、この『悪いやつら』の場合、主役が山守親分の『仁義なき戦い』(笑)

 

韓国社会の中では、儒教思想が絶対なんだな、というのがキーポイント。

家柄においては親等が近い方が、エライ。

年齢においては年長であるほうが、エライ。

日本でもそうなんだろうけど、韓国社会ではこれが狂ったように絶対的。

儒教思想的にエライ人間がやっていることは、何が何でも&どんなことでも正しい、っていう……。

映画の冒頭で、チェ・ミンシクが勤務する税関が組織として完全に腐敗していて、どーしょーもないな、と苦笑しました。でも、話が進むにつれて頻出する韓国儒教が判ってくるにつれて、だんだんと物語の全体というか、当時の社会情勢がわかってきた気がします。

作品を観る前は、「当時の韓国社会は政権の内部にまでヤクザが介入していたのかな?」と思ってましたが、それは間違い(だと思う)。

当時の韓国は、社会全体がコネと血縁とカネによって支配されていて、その3つさえあればどんな悪事もおとがめなし、というトンデモない状態にあったというのが映画を通して見えてきます。「そりゃ、『暴力との戦争』宣言もだすわな」と思いました。

……とかいいながら、その宣言を出した盧泰愚大統領も退任後に、在任中の収賄問題でもって懲役刑を喰らったわけですが。

 

普通、こういうギャング映画だとモノを言うのは暴力とカネ。

『悪いやつら』もそうなんだけど、他の作品とちょっと違うのは、韓国社会がコネ社会だというところ。ま、日本だってヨソの国のことは言えないけど。

このコネを最大限に使って成り上がっていく様は、ちょっと異様だけど圧巻。

コネと頭脳のチェ・ミンシクと、暴力のハ・ジンウ。

そりゃ、この取り合わせは最強だし。

でも、ヤクザ社会のロジックとなりふり構わない上昇志向とでは、絶対に相容れない一線があるわけで……というのが一番のハイライト。

対立から逆襲に転じるところから、ラストシーンになだれ込む一連の流れはまるで『仁義なき戦い 頂上作戦』。

韓国映画だし……」とか思っている人ほど、ゼッタイ見た方がいい圧巻の作品。

 

ただ、登場人物の99%が男。しかもあからさまに昭和の香りのする男達ばかりなので、この辺で好みがわかれるかも。

見てください、この昭和の香りを!!

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ギャング・ヤクザといえばそうなんだろうけど、暴力シーンがとにかく少ないし、あってもすごくおとなしい。

そういう点でもオススメです♪