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積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

悪魔が憐れむ歌/高橋ヨシキ

 

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

 

 

そんなこんなで、リニューアルの最初を飾るのは、映画秘宝のアートディレクターで、映画『冷たい熱帯魚』の脚本家(共同)でもある高橋ヨシキさんの映画評『悪魔が憐れむ歌』。

 

タイトルにある『悪魔が憐れむ歌』と聞いてピンと来るのは、言わずもがなローリング・ストーンズの『悪魔を憐れむ歌』。


Rolling Stones - Sympathy for the Devil (subtitulada)

たぶんここから連想したんだろうな、というのは余談。

 

で。

 

映画評なので、さまざまな映画が取り上げられているのですが、それをざっと紹介すると……。

 

世界残酷物語』『ザ・コーヴ』『カリギュラ』『デスレース2000年』『アポカリプト』『300<スリーハンドレッド>』『鮮血の美学』『ランボー 最後の戦場』『ファイトクラブ』『キラー・ジョー』などなど。

 

一般向けの映画としては『バットマン・リターンズ』『ブレードランナー』とかがあるにしても、どっちかというと過激で暴力的な映画がずらり。

けしからん!という言葉で糾弾される作品たちですが、個人的にそういう作品こそ今見ておくべきだと思う。

 

例えば、戦争映画という枠組みの中で、『永遠の0』と『君を忘れない』、『プライベート・ライアン』『ランボー 最後の戦場』を比較してみると、何となく著者の言いたいことが分かってくる。

自主規制によって、たとえ戦争映画であっても血が出ない、暴力がない、という体たらくで戦争の凶器が暴力性をどうやって描けるのか?

併せて、著者が言おうとしているのは”人間は大した存在ではない”ということ。

この逆説的で挑発的な言い方と、どこか俯瞰した視点で、今の世の中を挑発してみせるのが一番の面白さ。

 

読み物としては”これは実話である”という触れ込みで世界中にオカルトホラー旋風を巻き起こした『エクソシスト』。

 その”実話”部分ははたしてどのようなものだったのか?についての考察はなかなか読み応え。それと合わせて、著者が信仰している”悪魔教”についてのアレコレも面白い。

 

過激で挑発的な内容なので、好みは分かれそう。

でも、こういう世の中だからこそ読んでおきたい一冊。