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眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

HOUSE

 

HOUSE ハウス[東宝DVD名作セレクション]

HOUSE ハウス[東宝DVD名作セレクション]

 

尾道三部作*1”で知られる大林宣彦監督のデビュー作。

夏休みに郊外のお屋敷に出かけた女子高生たちが様々な惨劇に巻き込まれるホラー映画、なんだけど……。

 

ホラーはホラーですが、正直、恐怖度はそれほどでもなく、わりと気軽に楽しめる作品です。

なんというか、全体的にあからさまな作り物っぽさ全開。

背景があきらかな書き割りのカットがごく普通に登場する段を見るにつけ、本作とは全く関係のない映画、『デスレース2000年』を思い出しました。*2

なので、絵面がホラー映画特有のおどろおどろしさがまったくなく、ともするとミュージックビデオとか、CMみたい。

そのあたりも、ホラー映画の恐怖感を(良くも悪くも)大きく下げている気がします。

 

映画全体のテイストもホラーというよりも、アイドル映画。

実際、池上季実子をはじめとする女優陣はそろってこれから売り出しをかけるバリバリのアイドルたち。役柄の年齢と当人たちの年齢が完全に一致しているだけでなく、それぞれの役柄の内面がほとんどないので、ほぼ本人=役柄。

多少はキャラクター付けのための個性はあるにしても、それが非常に極端。なので余計に冗談っぽいというか、作りものっぽさを強調する結果に。

でも、それがマイナスには働いていないのが、面白いところ。

のちの映画を見れば一目瞭然なように、大林監督といえば、若手女優を魅力的に撮ることが得意なお方。

その人がアイドル映画を撮るわけで、女優陣がキュートに映らないわけはない。

ただ、それがホラー映画としてはマイナスに働くので、どうしたもんか?

 

併せて、非・俳優たちの出演の意外さもポイントの一つ。

作家の笹沢佐保、映画評論家の石上三登志、作曲家の小林亜星、歌手の尾崎紀世彦

本作の音楽を手掛けたゴダイゴ、さらには大林監督自身も出演と一種やりたい放題。

そのうえ、映画全体の演出のテイストがバラバラ。

突然コメディチックになったり、ミュージカル風になったり、学園ドラマ風、アイドル映画風とクルクル変わった挙句、やっとホラー映画だ、と思うと惨劇シーンの特撮が以上にシュール&チープ。なのでそこまでの怖さはない。

 

 

結論から言うと、これはホラー映画とは言えないな、と。

でも、一つの映画として見ると、奇妙に後を引く作品で、時間を置いてまた見たくなるのも確か。

そりゃ、カルト映画になるわけだな。

正直、伊丹十三監督の封印作品スウィートホーム』的なものを想像して観たので肩透かし極まりなかったけど、まあ、これはこれで面白い映画でした。

 

なにより一番の発見は、池上季実子は女子高生のころからしっかり池上季実子だった、ということ。

……自分で書いといて、まったくわけがわからないよ。

*1:『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の三作品

*2:近未来の街並みが明らかに手書きの書き割り。ちなみに、オープニングに至っては色鉛筆で書いた絵だったりする。