眼鏡堂書店

積み上げられた未読本の消化と、ホラー映画100本ノックを目指すブログ。不定期更新のゆるゆるです。

快楽主義の哲学/澁澤龍彦

 

快楽主義の哲学 (文春文庫)

快楽主義の哲学 (文春文庫)

 

 仏文学者で翻訳家、そして小説家でもある澁澤龍彦

その澁澤龍彦がキャラクターとして登場するアニメ映画『文豪ストレイドッグス デッドアップル』の公開を記念した、眼鏡堂書店プレゼンツのマンスリー・ドラコニア・フェスティバル(月間・大★澁澤龍彦まつり)。

第4回目の今回は、澁澤龍彦の著作で最も売れた(といわれている)『快楽主義の哲学』を取り上げます。

 

繰り返しになりますが、澁澤の数ある著作の中で最も売れ、最も挑発的な色合いを帯びているのが、本作『快楽主義の哲学』。

ちなみに、眼鏡堂にとっては人生の一冊であり、悩んだり苦しいことがあったときに必ず手にする一冊でもあります。

 

”人生には、目的なんかない”からはじまり、”文明の発達は、人間を満足させない”、”幸福は、この世に存在しない”と続き、”博愛主義は、うその思想である”、”健全な精神こそ、不健全である”、”「おのれ自身を知れ。」とは愚の骨頂”、”政治につばを吐きかけろ”と次から次に挑発的で過激な章立てがズラり。

これだけ見ると、不道徳で反社会的な本に思えるけども実はそうではないです。

政治やマスコミや社会が作り出した”こうあるべき”という押しつけを疑い、”自分はどうあるべきか”について自分の頭で、自分の心で考え、恐れることなく実行する。

それによって自分自身らしく生き、そのことがまわりまわってなにものにも縛られない快楽主義につながる、という風に眼鏡堂は捉えています。

自堕落に生きることと快楽主義はまったく別のものなのです。

 

澁澤龍彦というとどうしても『悪徳の栄え』の翻訳で有名なので、そういう暗黒的な人と思われているので、その著作は(一般の人には)敬遠されがち。

でも、この『快楽主義の哲学』は文体が非常に砕けていて、挑発的で過激な内容にもかかわらず、すんごく読みやすい。

それが幅広い読者にアピールしたと同時に、澁澤ファンであればあるほどちょっと鼻白むというか、積極的に評価する気にならないのかも。

実際、全集に入れるかどうかについて最後の最後まで迷ったのが本作だとか。

 

……本当はもっといろいろと書きたいことがあるのだけれど、眼鏡堂にとって非常に強い影響を及ぼしたと同時に、人生の一冊でもあるので、考えれば考えるほどいろんなことが頭の中をぐるぐると巡ってしまい、逆に書けなくなってしまうというありさま。

 

ともあれ、澁澤龍彦という人物の内面を知る本としてこの本は非常にうってつけ。

いちばん本屋さんに置いてそうだし。

そういう意味では澁澤龍彦入門編に相応しい気がするので、ぜひ手に取って読んでほしいと思います。以上、おわり。